生活整理・生前整理とは
ご自身が他界した後を考えて、生前の元気な内に身の回りのものや財産を整理しておくことです。
万が一に備えて持ち物を整理しておくと、残された家族が遺産の整理や相続に困らなくなり、
相続に自分の意志を反映できるため、これからの人生を安心して過ごすことができます。
近年、終活として、エンディングノートの作成と共に行う方が多くなっています。
生活整理・生前整理を行うメリット
遺言書の作成がしやすくなります
所有している財産を調査しまとめた書類を財産目録といいます。
整理を行い、現金・預貯金・不動産・車両・債権などの財産を記録します。
財産目録がある遺言書を作成する際、財産調査がスムーズに進み、相続時の無用な混乱・トラブルを防止できます。
相続のトラブルの防止
相続する財産の量が把握できていなかったり、相続に関する故人の意思がわからないと親族・家族間のトラブルに発展します。
生活整理・生活整理を行うと、財産の量や種類が把握でき、売却・相続などの取り扱い方法まで考えることができます。
その希望を残しておけば、相続のトラブルを防止できます。
遺族の遺品整理の負担を減らせます
遺品整理では、遺族が必要なもの、廃棄するものを仕分けし遺すものを決めます。
葬儀後の悲しみの中、限られた時間の中、遺品整理を行うことは遺族の負担になります。
そしてその数が多ければ多いほど手間は多くなります。
整理を行い、現状で不要のものは処分し負担を軽減することができます。
万一の事態に備えることができます
相続や遺品整理以外にも、整理をしておくことで、
大きな病気をした時や認知症等を患った際、
周りの負担を軽減することができます。
これからの生活の改善につながります
必要なもの、本当に遺しておきたいものを選ぶ作業は、今までの生活を改めて見直し、これからの生活について考えるきっかけになります。
これからを後悔なく歩み、後に残された人たちの為に生活を改善することができます。
生活整理・生前整理の行い方
身の回りの整理
「必要なもの」と「不要なもの」を分けましょう。
「不要なもの」はその中でも「不要だけど捨てなくないもの」「実際に処分するもの」に分けましょう。
「必要なもの」と判断する基準は以下を考えてみましょう。
・今使っている物
・頻度は少ないが使っている物
・手放すと後悔する物(思い出の品や記念品など)
・他人に譲れる物
「不要なもの」と判断する基準は以下を考えてみましょう
・使えない物・壊れている物
・1年以上使っていない物
・あまりいい思い出がない物
・使用していないサービス
物理的なものだけではなく、
・SNSアカウントやログイン情報
・スマートフォンやパソコン内のデータ
・契約中の保険や使用しているサービスの情報
・葬儀や墓について
などのデジタルデータやサービス、また飼っているペットについて等
考えておきましょう。
財産の整理
財産目録の作成
どのような財産があるか、所有している権利を含めた財産を記したものが財産目録です。
以下の財産を一覧にして記します。
・現金
・預貯金
・有価証券
・不動産
・貴金属や骨董品など
ここには資産だけではなく、未払いの税金や借金などの負債も記しておきましょう。
相続する財産と生前贈与する財産の仕分け
生前贈与は節税対策としてメリットがあります。
相続するか、贈与するか財産目録を確認し弁護士と相談しましょう。
遺言書の作成
法に則った分配で十分な方は作成の必要はありませんが、分配に対して希望がある場合は作成が必要です。
例えば相続人ではないが、お世話になった方へ財産を渡したいなどの場合には
必ずその旨を記載する必要があります。
エンディングノートの作成
エンディングノートとはご自身が亡くなった後の意向や言葉を家族に残すために記すノートです。
法的効力はありませんが、遺品整理で遺族が困らないように、遺品をどうしてほしいかを記ておきましょう。